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オペラ作品 Opera
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クロスカルチャー・オペラ 「智暁(ちぎょう)」 −閉じられた舟− −ある僧侶の地獄への旅と生還− <オペラの陶酔とアジアの混然の ヴァイタリアテイー>(1999)Op. 113 ◆オペラ「閉じられた舟」ーある僧侶の地獄への旅と生還ーは、1999年10月、 ユトレヒト(オランダ)、 とベルリン(ドイツ)で国際的なスタッフ、 歌手、 音楽家によって5回にわたって初上演シリーズが行 われて成功をおさめ、2000年11月には日生劇場で2夜にわたって日本初上演が行われた。 この二つの上 演が終わり、 「閉じられた舟」は主役の僧侶の名前に因む「智暁(ちぎょう)」と改題された。そして、 副題に「閉じられた舟」そしてクロスカルチャー・オペラ/<オペラの陶酔とアジアの混然のヴァイタリアテイー>を付け、この オペラの性格をより明確にした。 ・あらすじ
[スタッフ、再演の出演者] 第T幕 一人の僧─智暁が、衆生(人々)から選ばれて死の世界へおくりこまれる。 智暁は、櫓もな い外もみえない目無し駕篭舟―「閉じられた舟」で、わずかな飲み水だけあたえられ舟出する。「極楽 浄土」をめざす死への旅である。しかしやがて、空腹、喉の渇きに苛まれ、幻覚に襲われる。ついには 死の恐怖に自制心を失い、見苦しく苦悶し、ヒステリックに泣きわめき、助けをもとめる。大勢の僧侶 (衆生)が「転読」で智暁を救済しようとするが、智暁の精神も肉体も衰弱し、ついに悶絶死する。 第U幕 死んだ僧―智暁は、「中有(Bardo)」─死んで次の生(成仏)を受けるまでの中間の時空―へ入る。智暁は閻羅王宮を「極楽浄土」と錯覚し喜ぶ。しかし、閻羅大王が登場し『ここは極楽へいくか、 地獄へいくかの裁きをうける場である』と告げ、自らを高僧と認め、舟出をしたにもかかわらず、舟の なかで「成仏」できず、煩悩にくるしみ、死を恐怖し、生に執着し、そのあげく見苦しく苦悶し助けを もとめた智暁に対して、厳しくその行いを問いただす。智暁は、閻羅大王の厳しい追求に必死に釈明す る。問答のすえに、閻羅大王は智暁の上べだけの信仰心を見抜き、北の方向―地獄へ行く裁きを下す。 地獄の場面になる。閻羅大王は智暁に、さまざまな責め苦を与える。智暁、激しい責め苦に、とうとう 意識を失う。阿鼻地獄は突然静止し、一本の銀色の「蜘蛛の糸」がするすると天上から下りてくる。こ の「蜘蛛の糸」は、仏の慈悲を象徴する。智暁は意識をとりもどし、この救いの糸をみて、ようやくこ れまでの自己の愚かさに気付ずき、後悔の念からその心情を歌い「南無観世音菩薩」を念誦する。これ を聞いて閻羅大王は『仏の広いみ心により、慈悲の糸が下ろされた。お前を再び娑婆に戻そうぞ。』と 告げる。「地獄」から「娑婆」へ次元は変換される。智暁は生還する。 [日生劇場での日本初上演のプログラムから] アンサンブルの楽器編成は、バス・フルート(フルート)、バス・クラリネット、ピアノ、それに数十 種類からなる打楽器群にしぼられているが、舞台にも登場する横笛(龍笛、能管)、さらに特殊鉄製打 楽器が加わり、豊かな音響空間を創出する。そしてこれらの響きを背景に「大駱駝艦」★)7.の特異な舞踏が、幻覚シーン、あるいは地獄の場面でビジュアルなイメージを現出させる。 <クロスカルチャー・オペラ 「智暁(ちぎょう)」注釈> ★)1.音響詩「熊野補陀落」:義太夫と横笛、マリンバ、打楽器のための作品(作品42/NHK・FM放 送/昭和55年度芸術祭優秀賞受賞)。 ★)4. 「日本霊異記」:日本最初の仏教説話集。薬師寺の僧、景戒によりまとめられた。三巻百十六話より成っ ている。「閉じられた舟」では、『一人の僧侶が閻羅王宮−地獄を体験し娑婆に戻される』という説話 (中巻第七話)を基に翻案した。 |
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